ネディとは、奄美大島南部の漁師たちの言葉で、島と沖のサンゴ礁の間にある水浅水域のことを指します。沖縄ではイノーと呼ばれている陸と海をつなぐ場所です。深い森の広がる山に降った雨は、森の栄養を蓄えて川を通り海に流れ込みます。そして、植物性プランクトンに栄養を補給して、それらを餌とする動物性プランクトンを育み、ゴカイ類や貝類、甲殻類、海藻類、磯魚など多種多様な生物が暮らす世界を作り出しています。そこには、餌を求めて鳥が飛来し、沖からは大型魚が小魚を追い訪れ、陸と海の生き物が交わり多様で豊かな生物相を見せます。
奄美の人々も古くから海の恵みを受けて暮らしてきました。明治末期から昭和初期にかけて、ソテツ地獄と言われる、毒抜きの不十分な蘇鉄さえも主食にしなければならない恐慌の時代にも命をつないでこられたのは海の恵みがあったからでした。
海は“生命のゆりかご”であり、そこからつながる奄美の自然や生物すべては循環するひとつの共同体です。自然も人も多様性と豊かさを大切にしていきたい。そんな思いから、私たちの団体をNEDI(ネディ)と名付けました。
奄美が人々を惹きつけるのは、豊かな自然とそこから生まれた奄美独自の文化や伝統が今も息づいているからなのではないでしょうか。奄美の魅力は「奄美らしさ」であり、土着の文化や伝統が残されていること、それが奄美の魅力なのではないかと思います。奄美の文化と伝統は自然と密接に関係しています。
次の世代に残すべきものを残していくこと、それが私たちの世代の責任なのではないでしょうか。奄美の伝統や文化は自然と密接に結びついています。奄美の自然が残れば、伝統や文化も正しい形で残していくことができると思います。沖合いから海岸までの連続性、それが分断されないことが大切だと考えています。陸と海は相互に連関していて、陸が汚れればそれは海に流れ出て海が汚れることにつながります。 世の中が変わっていく中にあっても、次の世代に受け継いでいくべきものを残していくことができる活動をしていきたいと考えています。
奄美には「水や山ぬうかげ ちゅ(人)や世間ぬうかげ」という言葉があります。水があるのは森の木々のおかげ、森の木々があるのは水のおかげ、人も同じで周りの人々の助けや支えがあってこそ、という意味です。私たち人間は、すべての自然や生命、他者のバランスと循環の中で生かされているのです。
海と陸がつながっているように、そこで暮らす人と人もつながっています。社会が発展していく中でもそれは変わりません。次世代の子どもたちに何をつないでいくのか、奄美らしさを大切にしながら考えていきたいと思います。多様な職業が力を合わせて、地元の方々とのつながりを大切に、海と陸のつながりを大切に人と人がつながっていくことができるような活動をしていきたいと心から願っています。
法人名 |
一般社団法人 NEDI |
代表者 |
碇山 勇生 |
設立 |
2022年12月 |
メール |
|
所在地 |
〒894-0508 鹿児島県奄美市笠利町大字用安神の子1290-2 |
主な事業 |
(1)奄美群島の自然環境の保護・保全 |